風邪とくすり of SAURY PHARMACY

風邪とくすり

風邪とくすり

風邪の原因は?

風邪(風邪症候群)は、我々が生涯で経験する病気の中で最も多い病気で、呼吸器粘膜が炎症することで起こる、咳、咽頭痛、鼻漏・鼻閉が主症状となります。
風邪症候群の原因の80%以上がウィルスですが、他にも感染とは関係のないもの(アレルギーなど)もあります。

抗ウィルス薬の出現

「風邪を治す薬を発明したらノーベル賞だ!」といわれた時代がありましたが、インフルエンザの診断と治療薬が開発されて、風邪の薬物治療が大きく変わりました。抗インフルエンザウィルス薬である、リレンザ(吸入剤)とタミフル(経口剤)が発売され、最近の処方の主流となっています。

風邪の諸症状とくすり

高熱

アスピリン、バファリン、ボルタレン、ポンタールなどの解熱鎮痛剤が頓服薬として使用されます。発熱というのは身体の自己防衛反応の一つです。単純に熱を下げれば良いというものではありません、発熱で体力を消耗してしまうことを避けるのが大事なのです。

くしゃみ・鼻水・鼻づまり

塩酸シプロヘプタジン、マレイン酸クロルフェニラミンなど抗ヒスタミン剤が処方されます。抗ヒスタミン剤の作用は1)分泌抑制と2)(少量で)眠気、(多量で)興奮であり、鼻汁分泌抑制によって鼻水症状を緩和しようとするものです。しかし同時に他の分泌までも抑制してしまうので、口渇(こうかつ)などの副作用が発現することがあります。また眠気は休養を取る際には良いのですが、車などを運転する場合には副作用となります。

喉の痛み

蛋白を分解する酵素に炎症を抑える作用があり、セラペプチダーゼや塩化リゾチームが使用されます。また炎症があると血管が拡張しているので、それを抑える血管収縮作用のあるトラネキサム酸が使われることもあります。



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咳(せき)

咳は生体の防御反応であるので、無理矢理に咳を止めることはあまり良いことではありません。しかし咳がひどくて体力の消耗が激しくなってしまったり、夜眠れなくなってしまう場合に薬が処方されます。
最も強力な鎮咳薬は、麻薬であるリン酸コデインやジヒドロコデインで、痰のない、乾いた咳の際に使います。痰が絡んでいるような咳では、強く咳を止めてしまうと、痰の排出が困難で症状を悪化させる場合があります。また麻薬ではない鎮咳薬としてはデキストロメトルファンやチペジピンがあります。また、気管支を拡張させることで咳を鎮める、イソプロテレノールやエフェドリンなどのβ受容体興奮薬という種類のお薬も使われます。

痰(たん)

激しく咳込んでも痰が除去できないくらい症状がひどい場合、鎮咳薬で無理矢理に咳を止めると、かえって感染や窒息などのリスクが増してしまいます。このような場合、痰の濃さを薄めるか、あるいは痰を化学的に分解して柔らかくして取れ易くすることになります。痰の濃さを薄めるのは気道内の分泌を促進させる生薬(トコン、セネガ、オンジ)が使われます。また痰を構成しているムコ蛋白を化学的に分解するアセチルシステイン、セラペプターゼ、塩化リゾチームなどが使われます。

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