くすりの服用時間
飲み忘れたらどうしたら?
薬袋(ヤクタイ)に記載されている服用時間の目安は、くすりの特徴に応じて設定されています。例えば、服用したくすりの吸収性が胃酸分泌量の影響を受けるかどうか、錠剤やカプセルが胃で溶けるのか、腸で溶けるのかどうか、また、溶け出した成分がどのくらいのスピードで吸収され、何時間身体の中に留まるかなど、様々な特徴があります。くすりを効果的に服用するためには、患者さん自身がその薬の服用する意味を十分に理解して戴き、用法用量を守ることが大切です。
食後とは
食事を終えてから30分〜60分後までを目安に服用すると考えれば良いと思います。食後に服用すると、食べ物が胃内に残っている為、薬が直接胃壁に触れないので胃壁を荒らすことが防げます。また、多くのお薬が食後服用とされていますが、これは「飲み忘れ防止」の観点から設定されているものが多いのです。
食前とは
食事をはじめる30分〜60分前までを目安に服用すると考えれば良いと思います。胃や十二指腸に直接作用する薬は空腹時すなわち食前に服用します。また食後の血糖値上昇のタイミングと効果(血糖値降下作用)が出てくるタイミングが同時なるように糖尿病のお薬の一部も食前(食直前)に服用することがあります。
食間とは
食事後2時間〜3時間を目安に、食事と次の食事の間に服用することです。この時間帯の胃はほぼ空っぽの状態です。食べ物の影響を受ける薬(空腹時の方が吸収が良いもの)や胃粘膜に直接作用する薬は食間に服用します。
頓服(トンプク)とは
特定の症状に対して、薬を何回にも分けずに1回に飲むことを言います。発熱時、頭痛時、便秘時など、その症状を治したい時に服用します。頓服用として3〜5回分処方されることがありますが、症状が良くならないからと言って1度に2回分使用したりしないで下さい。
時間毎とは
食事に関係なく、例えば6時間毎、8時間毎などの指示を守って服用します。身体の中の薬の濃度を一定に保っておく必要のある薬の多くがこの服用方法です。テオフィリンなど気管支喘息の治療薬などが代表的です。