高齢者とくすり
高齢者はくすりが身体に残ってしまう。
通常くすりは体の中に入ると、肝臓で代謝されたり、腎臓で排泄されて身体から出ていきます。
しかしながら年齢を重ねると肝臓や腎臓の機能が低下してくるため、代謝や排泄が不十分になり、薬がいつまでも身体の中に残ってしまいます。ほぼ同じ体重の若者と高齢者に同じ用量の薬を服用してもらうと、まるで過量投与した状態と同じになることがあります。つまり副作用が起こり易いと言っても良いでしょう。高齢者の薬物治療では、投与量を通常量の半分程度からはじめて様子を観察しながら少しずつ増やしていきます。
高齢者は他にも病気がある?
一般的に高齢者はいくつもの疾患を併発していることが多い為、服用する薬の種類選択に医師による考慮がなされています。例えば高血圧の治療の際、利尿作用のある薬を使用することがありますが、糖尿病や痛風を併発している場合は利尿薬を避けて処方がなされたり、狭心症を併発している場合にはカルシウム拮抗剤を処方します。
高齢者は他にも薬を飲んでいる?
また「うなぎと梅干しの食べ合わせは良くない。」というのと聞いたことがあると思います。同じように薬にも「飲み合わせ」があります。薬によってはお互いに作用を強めてしまったり、弱めてしまったりすることがあるのです。これを薬の相互作用と言います。一般的に高齢者はいくつもの疾患を併発している為、いろいろな種類の薬を服用されていることがあります。そのため、医師は「飲み合わせ」を考慮して処方しています。
もし複数の病院や診療科を受診する場合は、他にかかっている病気や飲んでいるくすりを医師に伝えるのが良いでしょう。また「かかりつけ薬局」として調剤薬局を一軒決めておくと、飲み合わせの悪い薬がないか等、薬剤師が処方箋をチェックしてくれますので便利です。
ご家族がくすりの管理を・・・
高齢者の中には「薬がもったいないから」と言って体調の良い日には服用しないことがあったり、「昼に飲み忘れたから」と言って夜に二回分服用することがあったりしますので、ご家族でしっかり服薬を管理してあげる必要があります。