便秘・下痢のくすり of SAURY PHARMACY

便秘・下痢とくすり

便秘

便秘の原因は様々ですが、概ね「器質的便秘」と「機能的便秘」に別けられます。
「器質的便秘」は、大腸がん、腸管癒着、腸閉塞、子宮筋腫による圧迫などで、腸管自体が狭くなることで便が通過しない便秘です。「機能的便秘」とはストレス、不規則な食生活により腸の運動が低下したりして便の流れが起こらない便秘です。
「器質的便秘」の場合は外科的処置が必要な場合もあります。どうしても、便秘が治らない場合は詳しく検査する事も必要でしょう。大腸がんや腸閉塞などには触れません。一般的な「機能的便秘」に絞ってお話します

機能的便秘は、さらに弛緩性便秘と、痙攣性便秘に分けられます。弛緩性便秘というのは、腸管が運動しない場合で、痙攣性便秘は腸管が収縮し、排便を困難にしている場合です。弛緩性便秘には以下の下剤が用いられます。

糖類下剤

ラクツロースは糖類が2つ結合した二糖類で、未変化のまま大腸に達し、腸内の水分を増やし、さらに、腸内分解で発生した有機酸によって腸の蠕動運動が亢進します。小児の便秘にも使用されます。

膨張性下剤

寒天は便を多量の水分で膨張させます。習慣性も無いので使い易いのですが、効果が出るのに時間がかかるので単独では用いられません。

塩類下剤

硫酸マグネシウムや酸化マグネシウムは腸内に水分を移行させる物で、腸内に水分を維持することで便が軟化、増大します。固い便に有効です。塩類の下剤は、多量の水分と共に服用すると有用です。
痙攣性の便秘でも上記の下剤が使われますが、異常な緊張や神経質な反応で排便が阻害されてしまうなどの精神的なものが主な原因ですので、精神安定剤を使用することがあります。

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下痢

下痢は腸管の水分吸収不全、腸蠕動の異常亢進や細菌の感染症によって起こります。
通常、下痢は有害な異物を体外に排出する生体防御反応ですので、無理に止める事は好ましくないと言えます。

腸内細菌を調節するため乳酸菌製剤を服用します。また、必要に応じて腸運動を抑制する薬や、有害物質を吸着する薬、時には殺菌剤を使用します。

腸の運動を止める薬

リン酸コデインと塩酸ロペラミド、臭化ブチルスコポラミン を使用します。塩酸ロペラミドは強力な蠕動運動抑制作用があります。しかし、細菌性の下痢や、抗生物質が原因となった下痢の場合は使用されません。

有害物質を吸着する薬

天然ケイ酸アルミニウム(アドソルビン)には有害物質や過剰な水分や粘液を吸着して除去する作用があります。有害物質が原因の場合は、無理に下痢を止めず、脱水症状を防ぐために電解質をスポーツ飲料等で補いながら排出を促します。

細菌感染の薬(殺菌薬)

食中毒の場合は、抗生物質や抗菌剤を用いますが、塩化ベルベリンは、市販薬にも使用されていて、殺菌作用のほかに蠕動運動抑制も期待できます。その他、オフロキサシンやレボフロキサシン、トシル酸トスフロキサシンなど多数あります。

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