妊婦とくすり
胎児への影響は・・・
女性が薬を服用するのに最も注意が必要なのは妊娠期間中であることはご存知と思います。この時期、女性は薬の胎児への影響に非常に神経を使い、自らに施される薬物治療を拒否することもあります。
胎児への影響、奇形児が生まれるのではないかという心配があるためと考えられますが、妊娠中に薬を飲んでいなくても、先天異常(奇形)は100人に1〜2人程度の確率(自然発生率)で生まれています。
この確率(自然発生率)を何倍にも高めてしまうような場合、そのくすりは胎児への影響があると考えられます。
胎盤を通じて薬物が胎児に届きます。
母体と胎児の境界にある胎盤は母体から胎児へ栄養物質、酸素などを運んで、胎児から母体へ胎児の老廃物を運ぶ機能を担っています。 つまり母体と胎児の物質交換は胎盤を通じて行われている訳です。
栄養物質などと同様に薬物も、胎盤を通過することによって胎児に届きます(ただし、胎児に届いたからと言って危険とは一概には言えません)。胎盤の通過し易さは薬物の化学構造によって異なり、一般的には分子量が小さく、脂溶性が高く、弱塩基性と弱酸性の薬物が通過しやすいと言われています。妊娠しているとき、パートナーが薬を服用しているときには、医師または薬剤師に相談しましょう。
薬の多くは危険ではない。
多くの薬の場合、(先天異常の)自然発生率を大幅に高めることはないと言ってもよいのですが、これを2倍、3倍にも高めるようなくすりがあることも事実です。
そのような薬は、投与前に妊娠検査を義務づけるなど妊婦には投与されないような注意が喚起されています。女性(母体)の病気の治療を適切に実施する為にも、妊娠と薬について正しく理解することが重要です。
妊娠時期による胎児への影響
胎児への影響は<胎児とくすり>にて説明してあります。
妊娠中は安易にくすりを飲むのは避けたいですが、病状や疾患によってはやむを得ず薬を服用しなければならないことをもあります。医師・薬剤師の指示を守って服用することが大切です。